•ファン・デ・ドンクとオランダ女子代表はオリンピックデビューを果たす •2019年のワールドカップ™決勝戦からのチームの進化について語る •オリンピック・リヨンのスターは「プレッシャーに耐える準備はできている」と語る
ダニエル・ファン・デ・ドンクは、30歳を迎える今年の誕生日に試合がないことを願っている。計画していたパーティーが台無しになるからではない。その日は、東京2020オリンピック女子サッカー競技の3位決定戦が行われる日だからである。 彼女は、自分の誕生日に3位決定戦に回ることなく、決勝戦に向けて準備していることを願っている。UEFA女子選手権の優勝チームであり、2019年 FIFA 女子ワールドカップ™のファイナリストであるオランダにとって、それは決して現実離れの目標ではない。 アーセナルでの6年間を経て、オリンピック・リヨンと契約したばかりのファン・デ・ドンクが、FIFA.comのインタビューに応じてくれた。
FIFA.com:2019年女子ワールドカップ™決勝戦以降のオランダ女子代表は、どのように進化しましたか。 決勝戦でのプレーをとても誇りに思いました。その一方で、アメリカに勝つためにはもっと向上しなければならないと、思い知らされました。私たちはすべてのトップチームと対戦したいと思っています。ワールドカップの後は、すべての国に対して健闘できるようになっています。 チームはあらゆる面をしっかり分析して、細部に至るまで向上させました。私たちは、みんなさまざまなことに挑戦しています。もっと頑強な体作りをすることがメインでしたが、上手くいっていると思います。優勝に近づいていると感じたので、さらに前へと進まなければなりません。 ご自身やチームの主力選手たちが東京2020で活かすことのできる、ワールドカップで学んだ最大の教訓は何でしょう。 誰にも、どのチームにも恐れを抱かないこと。それが一番肝心です。というのも、当時はビッグネームの相手や国と対戦することに慣れていなかったからです。ビッグネームの選手たちはリスペクトされますが、今度は私たちがリスペクトされるのを願っています。オランダはここ数大会で実力を証明していますからね。 怖気づいていたわけではありませんが、私はいつも少しだけ、例えば「あのスウェーデンのフィッシャーと対戦するんだ」と頭の片隅で思っていました。もうそんなことはありません。最高のプレーヤーとの対戦を楽しみにしています。それで成長することが、分かりましたから。監督のサリナ(・ウィーフマン)のおかげで強いチームに仕上がっているので、とても感謝しています。 現在は優勝候補の一角とみなされていますが、チームはそのプレッシャーにどう対処しますか。 よくわかりません。でも、オランダの人たちはいつもとても単刀直入です。例えば、先日のイタリア戦で私たちは負けてしまいました。満足のいくプレーができていなかったのは分かっていましたが、マスコミに改めて批判されました。 それでも、プレッシャーや批判に耐える準備はできています。プレッシャーによって向上できると考えているので、何も恐れてはいません。はっきり言われる方がいいです。そこから学ぶことができますから。
ご自分は今、チームのリーダーだと思っていますか。そうだとすれば、どのようなタイプのリーダーでしょうか。 リーダーであることは自覚しています。ピッチ上で試合の落ち着かせどころを知っているのは私なので、ボールをキープして落ち着かせ、ポジティブなプレーができるようにしています。でも、気迫やタックルが必要なときは、必ずやるようにしています。 ピッチ外では、チームの全員と気分良くつながっていたいです。それと、チーム内では、誰もが誰もと相談し合える関係でありたいです。若手選手とベテラン選手との間に、距離感が生じて欲しくありません。誰もが大切にされていると感じ、対等な関係であることを望んでいます。 オランダとともに、アメリカは金メダル候補とみなされています。アメリカへの対抗策は何でしょう。勝つためには何が必要でしょうか。 それは監督にお任せしています。非常に忍耐強いプレーを心がけなければなりません。アメリカの選手はタフで屈強なことで知られています。疲れ知らずに走り続けることができます。私たちが規律あるプレーをし、自分たちのサッカーをすれば、勝てると思います。自分を信じて戦いに勝たなければなりません。 あなたは負けず嫌いのようですね。その要素はサッカーでは重要だと思いますか。 このレベルの選手は誰もがそうだと思いますけれど、その見せ方はさまざまです。負けず嫌いでなければ、私はこのレベルには到達できなかったでしょう。私はかなり感情的で、少し気性が荒いところがあります。
その気性は、少しずつ修正していかなければならなかったのでしょうか。 年を重ねるごとに静まるものだと思います。試合を振り返って、「一線を越えてしまった」と思ったことはありません。私はセンターバックやゴールキーパーに向かって走り出すのが好きなのですが、これにはかなりのエネルギーが必要となります。でも、私はエネルギーを消費すると思っていませんでした。年を重ねるにつれ、プレスに行くことが無意味だと考えるようになる人がいますけれど、私は今でもやります。たまにスローインをとることができますから。自分のことを少しでも知っていれば、感情や競争心をコントロールすることができます。 グループFで、サンビア、ブラジル、中国と同組に入りました。それぞれのチームとの対戦についてどう分析していますか。 それぞれ異なるタイプのチームであり、異なるチャレンジが待ち構えています。しっかりとした準備が必要です。それが大きな意味を持ちます。オランダのフィジカルプレーとポゼッションプレーを披露するのを楽しみにしています。 初めてオリンピック選手になることになりますが、ご感想はいかがでしょうか。 最高です! 履歴書に書き加えることができるのはとてもいいことですね。アスリートとしては素晴らしいとしか言いようがありませんし、とても楽しみにしています。個人的には、いつも大きなスタジアムでプレーし、トロフィーを勝ち取りたいと思っています。私たちがオランダの誇りになれるのを願っています。
子どもの頃のオリンピックの思い出は何でしょうか。オリンピックのヒーローは誰でしたか。 難しい質問ですね。子どもの頃はいつも外に出てサッカーをしていましたからね。家の中にいるときは、テレビをつけてスポーツを、たいていはサッカーを見ていました。私は短距離走が大好きです。あの短い距離のためにどれだけのトレーニングを積んでいるのかと思うと、茫然としてしまいます。どうやってやっているのかしら! 最後になりますが、あなたはファルケンスワールトという小さな町で育ちました。その町で育ったことは、現在に至る選手としての成長に影響を与えましたか。 あの頃は最高でした。あそこがとても気に入っていましたし、自分が高く評価されていると感じていました。あるチームでは私は最年長でキャプテンでしたが、次の年は、年上と一緒になったので私が一番背が低い子でした。男子チームに女子がいるのはとても不自然なことでしたけれど、みんな私を高く評価してくれて、サポートし、信じてくれました。 相手チームから軽蔑的な言葉を浴びせられることもありましたが、私のチームの男の子が「ちょっと待て。見てのお楽しみだ」と言い返してくれました。試合が終わると、相手は「君は本当にいい選手だ。君との対戦は楽しかったよ」と声をかけてくれました。それはとても素晴らしい経験でした。彼らからリスペクトされたことが、成長に向けたもっとも大切なことでしたね。