ヴィークマン:オリンピックに出るのが夢だった

•1996アトランタでオリンピック女子サッカー競技が初実施 •ヴィークマンは1996年7月21日にオリンピック女子サッカー初ゴールを決めた •「自分が歴史を作ったと思うと、少し誇らしくなります」
オリンピック女子サッカー競技は1996年のアトランタ五輪で初めて実施され、アメリカが最初の金メダルを獲得した。多くのファンはアメリカが記録的な大観衆を前にした決勝で、中国に勝利したことを覚えているだろう。だが、オリンピック女子サッカー競技史上初ゴールを決めた選手を思い出す人は少ないであろう。ちょうど25年前の今日、ドイツのベッティナ・ヴィークマンが日本戦でそのゴールを決めている。
「私がオリンピック史上初のゴールを決めた、歴史的なゴールだったと言われたのは、オリンピックが終わってからだと思います」。ヴィークマンはFIFA.comのインタビューでそう明かした。
「私はそのことよりも、大会から敗退してオリンピックの選手村に入ることができなくなったことの方にとても失望しました。オリンピックでのこのゴールは私にとっては特に重要なものではありませんが、歴史に名を刻むことができました。永遠に記録されるでしょう。自分が女子サッカーの歴史を作ったと思うと、少し誇らしくなります」
ヴィークマンとチームメートは、1996年7月21日に行われた初戦の日本戦で、3-2の僅差で勝利した。「当時は、サッカー選手としてオリンピックに出ることが夢でした」。そう振り返った彼女は、1988年にFFCブラウヴァイラー・プルハイムでプロ選手としてのキャリアをスタートさせ、ドイツ代表154キャップを誇っている。
「アトランタ五輪は、女子サッカーチームがオリンピックの金メダルを競い合うことができるようになった、初めてのオリンピックでした。ですから、私たちにとって非常に特別な大会となりましたし、出場できたことをとても嬉しく思いました。アトランタではなくバーミンガムに滞在しました。日本との初戦は午後2時でしたが、湿度がものすごく高く、気温は45度くらいでとても暑かったです。試合には3-2で勝利し、私はゴールを決めました」
ドイツは第2戦でノルウェーに敗戦。続くブラジル戦を1-1で引き分けたため、メダル獲得の夢は絶たれ、帰国することになった。
「残念ながら力及ばず、オリンピックの選手村に入ることはできませんでした。私たちの全員にとって非常に悲しいことでした。選手村の一員になることをとても楽しみにしていたのに、その最初のチャンスを逃してしまい、がっかりしました。しかし、2000年のシドニー五輪でその埋め合わせができて、素晴らしい体験をしました。オリンピックは他とは全く異なる大会で、本当に特別なものです」

ヴィークマンはそう強調すると、彼女の目から見てオリンピックがいかに唯一無二である理由を説明した。
「オリンピックに行くチームは、ドイツ人選手だけで構成されています。オリンピックではあらゆる種目のアスリートと出会うことができます。すべてのスポーツがオリンピックに集まるのです。私にとって、オリンピックは非常に特別な雰囲気を持った大会でした。私たちはサッカー界にいるのではなく、オリンピックの選手村で世界中のアスリートたちと一緒に過ごすことができたからです。トレーニングやチームミーティングの際には集まっていましたが、それ以外は自由にオリンピックの雰囲気に浸っていました。素晴らしい体験でした。すべてのアスリートに一生に一度は経験してもらいたいと思います」
ヴィークマンは、クラブではドイツカップを3回、ドイツリーグを1回制覇し、ドイツ代表としてEURO女子で4回優勝。オリンピックでは銅メダルを獲得している。そしてFIFA女子ワールドカップ アメリカ2003™で優勝し、選手生活を終えた。現在49歳のヴィークマンは2007年からドイツサッカー協会で若いタレントの育成に尽力し、U-15女子チームの監督、U-19およびU-20女子代表チームのアシスタントコーチを務めている。
「正直言って、現在指導している年代との仕事にとても満足しています。スポーツ面だけでなく、人格面でも、選手がこれほどまでに成長を遂げる年代は他にありません。大人へと成長し続ける子どもたちとの仕事は、とても素晴らしいことです。子どもや若者と一緒に仕事をするということは、選手たちにスポーツ面での影響を与えるだけではないのです。指導者は多才でなければなりません。選手たちのスポーツ能力だけでなく、選手たちが個性を伸ばす手助けをする機会もあります。選手たちは多くのものを返してくれるので、とても楽しいです」

14年前に就任して以来、ドイツ女子代表の気さくで名誉あるキャプテンであったヴィークマンは、ドイツ女子サッカーの構造の発展と全体の向上に貢献し、ドイツ女子サッカーに大きな影響を与えてきた。
ヴィークマンは次のように語る。
「私たちは正しい方向に進んでいます。ドイツサッカー協会では、さまざまな部門と密接に連携して、女子と少女のサッカーの変革、とりわけ改善を推し進めています。彼女たちのためにプロフェッショナルな構造と条件を整えなければなりません。平日は普通の仕事をし、そして一定回数のトレーニングに参加して、プロのアスリートとして成功するのを期待する……そんなのは、上手くいきません。だからこそ、トレーニングのパフォーマンスレベルを調整しなければなりません。また、選手がプロとしてのキャリアを追求できる環境を整え、リーグのレベルアップを図れるようにする必要もあります」
「ドイツサッカー協会は、さまざまなレベルのクラブや地域および州の協会と協力して、女子サッカーの構造をさらにプロ化するための方法を考えています。私たちはまだ正解を見つけていません。しかし、正しい方向に向かって進んでいます。将来、他の国に追いつくためには、これが重要なことです」